ボケの移植を考えておられる方は、
来春まで待たずに、この秋に行ってください。
気温が暖かくなる春先に多くの根系を切る移植を行うと、切り口から根頭がんしゅ病にかかり大小のこぶが根に形成されます。
こぶが形成されると、根の活動が弱まり樹勢衰退が起こり、やがて枯死します。すでにこぶが付いている場合は、ボケが植わっていた土壌にも病原菌がいますので、土壌消毒を行ってください。
またボケの根系にできたこぶはきれいに取り除き、切り口にはトップジッンMペースト剤を塗り植え付けます。根頭がんしゅ病は、ボケの他多くのバラ科樹木に発生しますので、移植、植え替えなどには十分注意してください。
落葉樹は、葉が落ちてしまうと枝幹がよく観察できます。
庭樹をこまめに観察して、枝幹に着いているマイマイガ、オビカレハの卵塊やイラガ類のさなぎを見つけてください。
害虫の卵塊、さなぎなどを見つけ取りつぶしておくと、春の大発生を未然に防ぐことができます。落葉は株基に積まないでください。
落葉は病原菌および害虫の温床になっていることがあります。
必ず土中深く埋め込むか、焼却処分に出してください。
多量にある場合は、堆肥を作って土壌改良材として用いてください。堆肥を作る過程で、充分高温になるようにし、病原菌、害虫の卵塊、幼虫などを殺してください。株元に積まれた落葉が腐り、肥料として再び庭樹に戻るには相当の年月がかかります。
その間、落葉が風で飛び散ったり、病害虫の温床になったりします。
発酵油かすの作り方
乾燥した、さらさらの油かすを施肥しますと、発酵する過程で、異臭が発生し非常に困惑します。
また発酵熱、発生するガスで大事な庭樹の根系を傷めることがあります。
また発酵が完了するまで肥効が出てきません。
冬の間に、庭の片隅で発酵油かすを作っておくと、期間は長くかかりますが、比較的臭いが少なく作ることができます。
油かすに1〜2割の骨粉をよく混ぜ、適量の水を注ぎ耳たぶ状の堅さに練り、プラスチックあるいは金属の菓子箱などに入れ、乾燥した時点で割れやすいように適当な切れ目を入れておきます。
これらの箱をある程度の温度維持のため段ボール箱に詰め込み、雨水の当たらない場所で管理します。半年ほど経つと、乾燥してきますので取り出し、乾燥状態で保存して、適時土中に埋め込んでいきます。
真夏に発酵油かすを作ると、期間は短くなりますが、臭気が強く発生し、近所迷惑になります。
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